
体を温める食べ物ってよく聞くけど、具体的にどれが温まるのかよくわかりません。大根は冬野菜だから温まるんじゃないの?

実は大根は薬膳では「体を冷やす食材」に分類されるんです!温かい料理に入っていても、食材自体が体を温めるとは限らないんですよ。
「冬野菜なら体が温まると思っていた」「鍋を食べてもすぐ冷える」「温活に効く食材の選び方がわからない」
寒い日に温かい鍋やスープを食べるとホッとしますよね。でも実は、「温かい料理=体が温まる」とは限りません。料理の温度で一時的に温まっても、食材自体に体を冷やす性質があれば、食後にすぐ冷えてしまうのです。
この記事では、東洋医学(薬膳)の知恵と栄養学の両面から、本当に体を温める食材の見分け方と、温活に最適な食べ合わせを紹介します。
なお、体を温める飲み物については「体を温める飲み物おすすめ8選」で、辛い成分と温活の関係については「辛いもので汗をかくのはデトックス?」でそれぞれ詳しく解説していますので、合わせてチェックしてみてください。
薬膳に学ぶ「五性」の考え方
東洋医学では、食材を体への作用によって5つに分類する「五性(ごせい)」という考え方があります。
熱性 — 体を強く温める(唐辛子、シナモン、山椒など)
温性 — 体を穏やかに温める(生姜、にんにく、ねぎ、鶏肉、エビなど)
平性 — 温めも冷やしもしない(米、大豆、じゃがいも、卵など)
涼性 — 体を穏やかに冷やす(大根、白菜、ほうれん草など)
寒性 — 体を強く冷やす(きゅうり、トマト、スイカ、バナナなど)
温活のためには「温性」「熱性」の食材を意識的に取り入れることが大切です。

大根が「涼性」って意外すぎます!冬の食材なのに…

冬に採れる=体を温める、ではないんですよね。でも大根を食べちゃダメということではなくて、温性の食材と組み合わせれば大丈夫ですよ!
体を温める食材の見分け方4つのポイント
スーパーで買い物するとき、どの食材が体を温めるか一つひとつ覚えるのは大変です。以下の4つのポイントを覚えておけば、おおよその見分けがつきます。
1. 寒い地域・冬に育つもの
寒い地域で育つ食材は、寒さに耐えるために栄養を蓄えており、体を温める性質を持つものが多いです。りんごやぶどう、さくらんぼなどの寒冷地の果物は、南国のフルーツに比べて温め効果が高いとされています。
2. 地中で育つもの(根菜類の一部)
地面の下で育つ食材は体を温めるものが多いです。にんじん、かぶ、れんこん、さつまいもなどが当てはまります。
ただし、根菜類でも大根やごぼうは薬膳では涼性に分類されるので注意が必要です。加熱して食べる分には冷えの心配は少ないですが、大根おろしのように生で食べると体を冷やしやすくなります。
3. 暖色系の色をしているもの
赤やオレンジ、黄色など暖色系の食材は体を温める傾向があります。にんじん、かぼちゃ、鮭、エビ、赤身肉などが該当します。
反対に、白や緑、紫など寒色系の食材は体を冷やしやすいものが多いです。
4. 発酵しているもの
発酵食品は、発酵過程で生まれる酵素が代謝を高め、体を温める作用があります。面白いのは、発酵によって食材の性質が変わること。
大豆 → 平性(温めも冷やしもしない)
豆腐(大豆を加工) → 寒性(体を冷やす)
納豆(大豆を発酵) → 温性(体を温める)
同じ大豆でも、発酵させるかどうかで体への作用が逆になるんです。
体を温める食材一覧
野菜・きのこ
温める食材: 生姜、にんにく、長ねぎ、にら、かぶ、にんじん、かぼちゃ、れんこん、しそ
冷やす食材: きゅうり、トマト、なす、レタス、白菜、大根、ゴボウ、セロリ
どちらでもない: じゃがいも、さつまいも、長いも、とうもろこし、きのこ類
肉・魚介
温める食材: 鶏肉、羊肉(ラム)、鮭、ブリ、マグロ、エビ、レバー
冷やす食材: タコ、カニ、アサリ、牡蠣
どちらでもない: 豚肉、牛肉、イカ、卵
特に羊肉(ラム)は体を温める効果が非常に高い肉類です。寒い地域のモンゴルや北海道でジンギスカンが食べられてきたのも、羊肉の温め効果を経験的に知っていたからかもしれません。
発酵食品・調味料
温める食材: 味噌、納豆、キムチ、醤油、酒粕、日本酒、紹興酒
冷やす食材: 酢、マヨネーズ、白砂糖
どちらでもない: 塩、はちみつ
果物・ナッツ
温める食材: りんご、ぶどう、さくらんぼ、桃、プルーン、栗、くるみ、松の実
冷やす食材: バナナ、パイナップル、マンゴー、梨、柿、スイカ
ドライフルーツにすると変わる: 生の柿は寒性ですが、干し柿にすると温性に変化。水分が抜けることで性質が変わるんです。

鶏肉は温めるけど豚肉はどちらでもないんですね。面白い!

薬膳の世界は奥が深いんです。でも全部覚えなくても大丈夫。「生姜・にんにく・ねぎを料理に加える」「発酵調味料を使う」だけで温活効果はグッと上がりますよ!
意外と知らない「体を冷やす鍋」の落とし穴
冬の定番料理である鍋ですが、実は具材の選び方によっては「温まる鍋」にも「冷える鍋」にもなります。
冷えやすい鍋の具材
白菜、大根、豆腐、もやし、水菜…。鍋の定番具材ですが、薬膳的にはすべて「涼性〜寒性」の食材です。これらだけで鍋を作ると、食べている間は温かくても、食後は意外と体が冷えやすくなります。
温まる鍋にするコツ
①スープに生姜やにんにくを効かせる
具材が涼性でも、スープに温性の生姜やにんにくをたっぷり入れれば、全体として温まる鍋になります。
②タンパク質をしっかり入れる
鶏肉、鮭、エビ、豚肉などのタンパク質は食事誘発性熱産生(DIT)が高く、食べた後に体が熱を作りやすくなります。タンパク質のDITは約30%で、脂質(約4%)や糖質(約6%)に比べて圧倒的に高いです。
③発酵食品ベースのスープを選ぶ
味噌ベース、キムチベース、酒粕ベースの鍋は、発酵食品の温め効果がプラスされます。
④ねぎ・にらを仕上げに加える
ねぎやにらは温性の野菜です。煮込むと風味が飛ぶので、仕上げに加えると香りも温活効果もアップします。

水炊きって白菜と豆腐がメインだから、実は冷えやすい鍋だったんですね…!ヘルシーだし温まると思って、この冬、結構食べていました。

でも水炊きに生姜をたっぷり入れて、ポン酢にねぎとおろし生姜を添えれば、温まる鍋に早変わりしますよ!
温活におすすめの最強メニュー5選
1. 生姜たっぷりの味噌汁
朝食の味噌汁に、すりおろし生姜をひとかけ加えるだけ。味噌(発酵食品)+生姜(温性)のダブル効果で、朝から体がぽかぽかに。具材にはにんじんやかぶなどの温性の根菜を入れると、さらに効果的です。
毎朝の習慣として最も取り入れやすい温活メニューです。
2. キムチ鍋
キムチ(発酵食品)+唐辛子(血行促進)+にんにく(温性)+ねぎ(温性)+豚肉(タンパク質)と、温活食材が勢ぞろいする最強の鍋です。
ただし、唐辛子のカプサイシンは発汗型なので、食べすぎると逆に冷える場合も。辛さは控えめにして、にんにくと生姜の量を増やすと、温活効果が長持ちします。
3. 鮭と根菜の粕汁
酒粕(発酵食品)+鮭(温性の魚)+にんじん・かぶ(温性の根菜)を使った粕汁は、北陸や東北で昔から冬の定番とされてきた温活メニューです。
酒粕には血行を促進して体を温める効果があり、温かさが長時間持続します。甘酒と同じ米麹由来の発酵パワーが体の芯からぽかぽかにしてくれます。
4. にんにくたっぷりのアヒージョ
にんにく(温性)をオリーブオイルでじっくり加熱すると、アリシンがスコルジニンに変化して温め効果がアップ。エビ(温性)やきのこ(平性)を加えた温活アヒージョは、パーティーメニューとしてもおしゃれです。
5. 生姜炊き込みご飯
生姜を千切りにしてお米と一緒に炊き込むだけの簡単メニュー。生姜を加熱することでショウガオールが生まれ、体の芯から温まります。ご飯なので毎日の食事に自然に取り入れられるのが嬉しいポイントです。
逆に体を冷やしてしまう食べ方
生野菜サラダの食べすぎ
生野菜は体を冷やす食材が多く、しかも生のまま食べると冷えやすくなります。温活中はサラダよりも温野菜や蒸し野菜にするのがおすすめです。
南国フルーツの食べすぎ
バナナ、パイナップル、マンゴーなどの南国フルーツは体を冷やす性質が強いです。食べたいときは、寒冷地のフルーツ(りんご、ぶどう)を選ぶか、ドライフルーツにすると温め寄りに変化します。
白砂糖の摂りすぎ
白砂糖は体を冷やす性質があるとされています。甘みを加えたいときは、はちみつや黒糖を使う方が温活にはプラスです。
冷たいもの全般
当たり前ですが、冷たい食べ物や飲み物は内臓を直接冷やします。温活中は冬だけでなく、夏でもなるべく常温以上の食事を心がけましょう。
タンパク質で熱を生み出す「食事誘発性熱産生」
食事をした後に体がポカポカ温まる経験はありませんか?これは「食事誘発性熱産生(DIT)」と呼ばれる現象で、食べ物を消化・吸収する際に体が熱を生み出しているのです。
DITの大きさは栄養素によって異なります。
タンパク質 — 摂取エネルギーの約30%が熱になる
糖質 — 摂取エネルギーの約6%が熱になる
脂質 — 摂取エネルギーの約4%が熱になる
つまり、タンパク質を多く含む食事をすると、食後に体が温まりやすくなるのです。鶏肉、魚、卵、大豆製品などを積極的に摂ることで、「食べるだけで温まる体」を目指せます。
朝食でタンパク質をしっかり摂ると、午前中から体温が高い状態を維持しやすくなります。朝は味噌汁+ゆで卵+納豆ご飯のような和食が温活にはベストです。

朝ごはんの内容で1日の体温が変わるんですね!味噌汁に生姜を入れて、納豆ご飯を食べれば完璧ですか?

まさに完璧です!味噌(発酵食品)+生姜(温性)+納豆(発酵食品)+卵(タンパク質)。毎朝これだけで温活は大成功ですよ。
まとめ
体を温める食材の選び方は、「寒い地域で育つもの」「地中で育つもの」「暖色系のもの」「発酵しているもの」の4つがポイントです。
鍋やスープも具材の選び方次第で「温まる料理」にも「冷える料理」にもなります。白菜や大根などの涼性食材を使うときは、生姜・にんにく・ねぎなどの温性食材や、味噌・キムチなどの発酵食品と組み合わせるのがコツです。
毎日の食事に温活食材を少しずつ取り入れて、体の内側からぽかぽかな暮らしを目指しましょう。まずは明日の朝の味噌汁に、生姜をひとかけ入れてみるところから始めてみてください。
※本記事は一般的な情報をもとに作成したものであり、特定の症状の改善や効果を保証するものではありません。体調に気になることがある場合は、医師にご相談ください。


コメント